昨年から取り組んでいた、親指シフトキーボード用変換ボックスが一応形になったのでご報告です。

といっても、なんのことやら分からないと思いますので、簡単に説明を。
● かつて、富士通がオリジナルで作った日本語かな入力方式に「
親指シフト」というのがありました。
● 一般的に使われているJISキーボードのカナ文字が、4段分のキーに配置されているのに対し、親指シフトキーボードは3段。3段になった分を、左右の親指で押すシフトキーを同時押しすることで一つのキーで二重、三重の使い方が出来るようにしていました。また頻繁に使うキーがホームポジションにあるなど、合理的に作られていました。
● 憶えやすく、また楽に早く打てる非常に優秀なキーボードでしたが、JISに嫌われ、パソコンが普及する段階でローマ字打ちが一般的になってしまったこともあり、現在は細々と販売されているのみになってしまいました。
● しかし親指シフトユーザーは残っており、USB対応の(高価な)親指シフト専用キーボードを使ったり、通常のパソコン用キーボードと入力用専用ソフト(エミュレータ)とを自分で組み合わせて親指シフトキーボードとして使ったりして、現在も根強く使用され続けています。
● ここで問題があり、ほとんどの場合、入力用専用ソフト(エミュレータ)をコンピュータにインストールしなければ、外部キーボードで親指シフトかな入力を使用することが出来ません。従って、入力用専用ソフト(エミュレータ)をインストールすることが出来ない
iPhone , iPad では外部キーボードで親指シフトを使用することが出来ない、という問題です。(USBでかな出力出来る親指シフトキーボードは別)
● そこで、入力用専用ソフト(エミュレータ)を使用するのでなしに、外部キーボードとコンピュータ(パソコン、
iPhone ,
iPad )の間のUSBケーブルに装置をかますことで、この
装置内部で入力専用ソフト(エミュレータ)と同じ文字変換を行うことを思いつきました。これで、
iPhone ,
iPad で好きなキーボードと組み合わせて使用することができます。(またサムタッチという親指シフト専用キーボードには、Japanist という専用エミュレータが必要ですが、これが無くても基本的なカナ入力は可能になりました。)
●USB信号を親指シフト用にコンバート(変換)する装置ですので、「
OyaConv」と名付けました。キーボードは、種類によって重さや深さ、タッチの具合が大きく異なります。またユーザーの好みも人それぞれ。キー配列も人それぞれです。昔のように既製品を押しつけられても、現在では困ってしまいます。そこで、装置にはSDカードスロットを取り付け、キーを押すタイミングやキー配列をユーザー自身がSDカードに設定ファイルとして書き込めば、
OyaConvでそれを読み込むようにしています。(SDカードからいったん読み込んだデータは、内部のEEPROMに記憶され、保持されます。)
●親指シフトのみならず、好きなようにキー(USB Usage)を変更することが出来る装置ですので、ゲーミング用にも使用できるかもしれません。
● 昨年から装置のソフト、ハードの試作を重ね、失敗も重ね、ようやく形になり、一通りの動作は行えるようになりました。とりあえず写真にてご報告させていただきます。詳細については、別途このブログと、Facebook 親指シフトグループにて報告していきたいと考えます。なにぶん、個人での製作ですし、五十も半ばを過ぎて体調も思わしくなく、色々限界もございますが、これが親指シフト日本語入力普及の一助になればと考えております。

