鬼子母神とアールティ
ここ一年ほど分からなかった謎が解けました。といっても、間違いに気がついたということなのですが。。
僕は仏教の鬼子母神にとても興味があって、雄山閣のオンデマンド本を買ったりして自分なりに調べておりました。鬼子母神の別名は訶梨帝母(かりていも)元はインド土着の神様で、元の名はハーリティ( Hariti )。
近所にインド料理屋がありまして、ネパール人の気のいい店主がやっているのですが、この人はネパール人だけどヒンドゥー。そこで、「 ハーリティ を知っていますか?」と聞いたら、「ああ!アーリティ!ヒンドゥーにあります!」と言いながら色々教えてくれたのですが、どうも良く分からない。インドの神様ですか?と聞くとそうですと答え、それではどんな神様なんですかと聞くと、お線香を持ってきてくれて合掌した手に挟んで、ぐるぐる回してくれる。
で、どうもヒンドゥーではハーリティはアーリティと呼ばれているらしいこと。お祈りの時にはお線香をぐるぐる回すしぐさをするらしいことまでは分かったけれども、いったいどんな神様なのかはよくわからないままでした。なんか、火までは付けませんでしたが線香まで持ってきてくれて一所懸命説明してくれたので、曖昧なままそれ以上は聞かないままでおりました。
昨日、そのインド料理屋に行ったので、それじゃ今回はちゃんと確認してみようと思い、雄山閣の「鬼子母神信仰」にあるハーリティの写真をご店主に見せて、これはハーリティですか?と聞いてみたわけですが・・・・この神様は知らないし、どうもヒンドゥーの神様ではなさそうだということが分かりました。そしてまた、ぐるぐる手を回しながら、とても古いことですと言う。乳海攪拌という言葉が浮かびましたが、どうもそうでもないらしい。
そこで、iPad を持っていたので、Hariti で検索してご店主に見せたところ、ご店主自らキーボードで訂正して打ってくれたその文字は、" aarti " 。検索するといきなり この YouTube 動画が出てきて、妙なる音楽とともにヒンドゥーの神様の前でぐるぐる回る炎が。どうもこれがハーリティならぬアールティとのこと。線香を持って回すしぐさも、この回る炎をイメージしているようです。
完全に勘違いしておりました(笑)
謎は解けたのですが、aarti についてはまだ良く分からないので、もう少し調べてみたいと思っております。ちなみに僕が鬼子母神に興味があるのは、法華経信者というわけではなくて、実家が「おそれ入谷」の、朝顔市で有名な鬼子母神にほど近い場所にあったためです。そして、調べてみると鬼子母神の説話(仏説鬼子母経)というのもとても面白い。鬼子母神の成立は二世紀ころのガンダーラらしいのですが、それもまた興味深いものがあります。そのうちにこのブログでも鬼子母神のことを書いていけたらなと思っています。
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