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2021/02/11

ロックじゃねえな

学校の音楽の授業は大嫌いで、いつも成績が悪かったのとは別に、中学校あたりから、友達の家でダビングしたテープを聴いていたりして、いわゆる音楽教育と趣味の音楽とは別個の生活を送っていました。そのうち、歌謡曲やフォークからロックを聴くようになり、高校生になると自分でもベースギターを買ってバンドをやるようになっていました。

 いちおう最初は教則本を元に練習はしていましたが、楽譜に頼るようだと「ロックじゃねえな」と仲間内から言われていました(笑)昔のロックやブルーズのプレイヤーというのはだいたい独学でも良くて、型にはまらない独創的な弾き方がどんどん出てきた時期だったので、それがまたイイ!とされたりしてましたので。

 ただ、僕は高校の時に一年間だけ、ブラスバンドに所属してトランペットを吹いてたので、その時は楽譜とにらめっこで演奏してました。今思うと、あの1年は貴重だったと思ってます。
 その後は時々バンドでロック音楽を演奏してましたが、その時には楽譜なんか不要で、まずはとにかく聞いたとおりの音を出して、あとはスケール(音階)練習で覚えたスケールで時々アドリブをかますという程度で十分に「うまいな」と言われるくらいになってました。

 その後、放送大学で文系科目を学ぶ中、共に哲学のサークルに所属していた芸大の作曲家卒という方と親しくなったりしました。ピアノの先生をやられながら現代音楽をやられている、野人のような方でした。でもやっぱり雲の上の存在のようで、自分の趣味の音楽とは別物という感じでした。

 その頃から30年以上が経って、ふとアコーディオンを弾きたい!と思うようになって、アコーディオン教室に通うようになりました。アコーディオンはとにかく最初どう弾いたらいいのかまったく分からない楽器なので、最初のうち、蛇腹の使い方を知るためだけにでも習ったほうがいい、と聞いたためです。

 教室はもちろん楽譜ありきで、音楽の授業を1からやり直す感がありました。ここではじめて、授業としての音楽と、趣味としての音楽が一致したような有様でした。アコーディオン教室は結局1年くらいで辞めたのですが、そこで、多くの音楽大学の在学生・卒業生と出会いました。以前の会社の同僚に、私立の音大卒という方がいたんですが、はっきり言って芸大以外の私立の音大なんて、いざ就職したくても出来ないことが多いし、学費なんてドブに捨てるようなもの、と聞いていたので、まあ、たいしたことないんだろなと勘違いしていたのですが、音楽大学を出て、地味に日本の音楽を下支えしている方たちと出会うことが出来ました。

 いまどきの音楽大学ではアコーディオンはもとより(ただしアコーディオン科というのは日本にはない)キーボード、エレキギターやエレキベースまで、ポピュラー音楽も教えているようです。確か以前にはそんな学校は日本にはなく、深く学びたいスタジオ・ミュージシャンはアメリカのバークレー音楽学院などに行って学んでいたように記憶しています。エレキギターのソロを日本の大学で教えているとか、ちょっと笑っていましたが、彼らにとっては飯の種を習得するため。そのために汗をかかれている方々に、「ロックじゃない」なんて口が裂けても言えないな、と今は思っています。

 譜面というのはあくまで参考程度のもので、解釈によって全然変わるものということも知りましたが、とても便利なコミュニケーションツールであることは間違いありません。ジャムセッションだけで音楽を作り上げてしまう天才でもない限り、着実に練習していくには必要な、言語のひとつなのかもしれません。

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