アコーディオン雑記 その3
アコーディオンにはスイッチがたくさん付いている。
なんとなく、これを押すと音色が変わるんじゃないかというのは、電子オルガンから連想すればすぐに分かるし、実際その通りだ。
でも、それじゃいったいどのように変わるのか、アコーディオン習いたての頃は、実際のところ良く分からなかった。
しかし、これを理解しないでアコーディオン選びをするというのは、アコーディオンの構造を理解しないで購入することであって、とても無謀なことだった。反省をこめて記録しておきたいと考える。
●リードの表記法について
アコーディオンの一つ一つの右手側鍵盤(ボタン)には、複数のリード(振動板)が付いている。
基本的に、基音となる振動板は必ずあるけれど、機種によってはオクターブ下の振動板、オクターブ上の振動板が付いていたりする。
例えば、基音のリードが二枚で、オクターブ上と下のリードがそれぞれ一枚ずつ付いているアコーディオンの表記は、下図のようになる。

上の図形が、ドイツ式の表記、下の”HMML”がアメリカ式の表記だ。
アコーディオン販売店ではアコーディオンの種類によって、たいていアメリカ式の表記がされているので、これを見てどんなリードを使っているアコーディオンかを知ることが出来る。
安いアコーディオンだと、”MML”だったり、中には”ML”というのもあるようだけれど、高いものだと”HMMML”と五枚のリードを使っていたりする。リードが一枚増えるごとに、全部の鍵盤分のリード☓2(吸引用・圧縮用)及びそのハウジングが付くので、重量が大きくなる。
●スイッチについて
アコーディオンのスイッチは、この複数のリードのうち、どの組み合わせで鳴らすかを選択するためのスイッチだ。
例えば、”HMML”のアコーディオンの場合、以下の組み合わせでリードを鳴らす。

それぞれの組み合わせに応じたスイッチを押すことで、内部の弁が閉じて目的のリードだけが鳴る。
アコーディオンによっては、この記号のかわりに、”OBOE”とか"CLARINET"とか楽器の名前が書いてあることがあるけれど、表記の違いだけで、実際やっていることは同じ。
電子オルガンの場合は、ドローバーなどで細かく音色の調整が出来るけれど、アコーディオンの場合は、ON/OFFのみ。それも曲に合わせてワンタッチで音色を変える必要があるため、複数のボタンを同時に押すようにはなっておらず、一つのボタンでリードの組み合わせを変えるようになっている。
●メインスイッチ
アコーディオンによっては、「メインスイッチ」と呼ばれるスイッチがキーボードの横に付いている機種もある。演奏が途切れること無く押せるように、右手の親指で押せるようになっている。
このスイッチを押すと、それまでどのスイッチが選択されていたかに関わらず、全部のリードが鳴る。いわば「全開スイッチ」。曲の最後でメインスイッチを押し、音量全開で盛り上げたりする場合に使ったりする。
メインスイッチは鍵盤横だけでなく、アコーディオン上面に顎で押せるスイッチになっている機種もあり、これは「チンスイッチ」と呼ばれる。
●MMずらしとミュゼットアコ
普及機も含め、リードの”M”が二枚になっているアコーディオンというのが多い。
12弦ギターのように、二つのリードのチューニングをずらすと、アコーディオン独特のゆらぎのある華やかな音になる。これを「MMずらし」と言ったりするらしい。
どの程度ずらすかは機種によるけれど、シャンソンで使われるアコーディオンは華やかな音が好まれるので、ズレ方が大きいようだ。これに対してクラシックで使われるアコーディオンは、他の楽器との合奏に支障を来すので、あまり大きな「MMずらし」は好まれない。
私が一度先生から購入したアコーディオンはこのタイプで、音量は大きいけれど実直で華やかさの少ない音だった。
ちなみに、「MMずらし」による華やかな音のするアコーディオンを「ミュゼットアコーディオン」と呼ばれたりするけれど、フランスのミュゼット音楽で使われるアコーディオンはMリードが三枚のもので、真ん中の音が基音にチューニングされているものを言うとのこと。
一例としてミュゼットアコのボタン配列は以下のようになる。

●スイッチが多いと音色もたくさん変わるのか?
上図では、”MMM”など、同じ組み合わせで異なるスイッチになっている。
調べてみると、結構こういうパターンがあって、11個もスイッチがあるのに実際は7個分の音色しか選択できない、ということもあるようだ。
高級機の筐体をそのまま使って普及機を作ったりするとそうなるようだけれど、同じボタンが複数あると、鍵盤の高音を弾いていても低音を弾いていても音色の切り替えがしやすかったりするようなので、あながちハッタリだけというわけではないらしい。
※MIXI日記より転載 画像はオリジナル
なんとなく、これを押すと音色が変わるんじゃないかというのは、電子オルガンから連想すればすぐに分かるし、実際その通りだ。
でも、それじゃいったいどのように変わるのか、アコーディオン習いたての頃は、実際のところ良く分からなかった。
しかし、これを理解しないでアコーディオン選びをするというのは、アコーディオンの構造を理解しないで購入することであって、とても無謀なことだった。反省をこめて記録しておきたいと考える。
●リードの表記法について
アコーディオンの一つ一つの右手側鍵盤(ボタン)には、複数のリード(振動板)が付いている。
基本的に、基音となる振動板は必ずあるけれど、機種によってはオクターブ下の振動板、オクターブ上の振動板が付いていたりする。
例えば、基音のリードが二枚で、オクターブ上と下のリードがそれぞれ一枚ずつ付いているアコーディオンの表記は、下図のようになる。

上の図形が、ドイツ式の表記、下の”HMML”がアメリカ式の表記だ。
アコーディオン販売店ではアコーディオンの種類によって、たいていアメリカ式の表記がされているので、これを見てどんなリードを使っているアコーディオンかを知ることが出来る。
安いアコーディオンだと、”MML”だったり、中には”ML”というのもあるようだけれど、高いものだと”HMMML”と五枚のリードを使っていたりする。リードが一枚増えるごとに、全部の鍵盤分のリード☓2(吸引用・圧縮用)及びそのハウジングが付くので、重量が大きくなる。
●スイッチについて
アコーディオンのスイッチは、この複数のリードのうち、どの組み合わせで鳴らすかを選択するためのスイッチだ。
例えば、”HMML”のアコーディオンの場合、以下の組み合わせでリードを鳴らす。

それぞれの組み合わせに応じたスイッチを押すことで、内部の弁が閉じて目的のリードだけが鳴る。
アコーディオンによっては、この記号のかわりに、”OBOE”とか"CLARINET"とか楽器の名前が書いてあることがあるけれど、表記の違いだけで、実際やっていることは同じ。
電子オルガンの場合は、ドローバーなどで細かく音色の調整が出来るけれど、アコーディオンの場合は、ON/OFFのみ。それも曲に合わせてワンタッチで音色を変える必要があるため、複数のボタンを同時に押すようにはなっておらず、一つのボタンでリードの組み合わせを変えるようになっている。
●メインスイッチ
アコーディオンによっては、「メインスイッチ」と呼ばれるスイッチがキーボードの横に付いている機種もある。演奏が途切れること無く押せるように、右手の親指で押せるようになっている。
このスイッチを押すと、それまでどのスイッチが選択されていたかに関わらず、全部のリードが鳴る。いわば「全開スイッチ」。曲の最後でメインスイッチを押し、音量全開で盛り上げたりする場合に使ったりする。
メインスイッチは鍵盤横だけでなく、アコーディオン上面に顎で押せるスイッチになっている機種もあり、これは「チンスイッチ」と呼ばれる。
●MMずらしとミュゼットアコ
普及機も含め、リードの”M”が二枚になっているアコーディオンというのが多い。
12弦ギターのように、二つのリードのチューニングをずらすと、アコーディオン独特のゆらぎのある華やかな音になる。これを「MMずらし」と言ったりするらしい。
どの程度ずらすかは機種によるけれど、シャンソンで使われるアコーディオンは華やかな音が好まれるので、ズレ方が大きいようだ。これに対してクラシックで使われるアコーディオンは、他の楽器との合奏に支障を来すので、あまり大きな「MMずらし」は好まれない。
私が一度先生から購入したアコーディオンはこのタイプで、音量は大きいけれど実直で華やかさの少ない音だった。
ちなみに、「MMずらし」による華やかな音のするアコーディオンを「ミュゼットアコーディオン」と呼ばれたりするけれど、フランスのミュゼット音楽で使われるアコーディオンはMリードが三枚のもので、真ん中の音が基音にチューニングされているものを言うとのこと。
一例としてミュゼットアコのボタン配列は以下のようになる。

●スイッチが多いと音色もたくさん変わるのか?
上図では、”MMM”など、同じ組み合わせで異なるスイッチになっている。
調べてみると、結構こういうパターンがあって、11個もスイッチがあるのに実際は7個分の音色しか選択できない、ということもあるようだ。
高級機の筐体をそのまま使って普及機を作ったりするとそうなるようだけれど、同じボタンが複数あると、鍵盤の高音を弾いていても低音を弾いていても音色の切り替えがしやすかったりするようなので、あながちハッタリだけというわけではないらしい。
※MIXI日記より転載 画像はオリジナル
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